パチンコ・パチスロの収支アプリで、あなたは「メモ」まで書いているだろうか。多くの人は数字を記録するだけで、コメントは残さない。実際、収支管理アプリ P-Money で一定以上プレイするユーザー約2.2万人のうち、メモを習慣的に書く人はわずか3割ほどにとどまる。では、この「書く/書かない」は成績に関係するのか。426万件の収支記録を分析すると、はっきりとした差が浮かび上がった。
まず見えた「100倍」の差。ただし早とちりは禁物
メモが添付された収支記録の平均収支は+308枚、勝率45.2%。かたやメモのない記録は+3枚、勝率39.0%。実に100倍の開きだ。だが、これを「メモを書けば勝てる」と読むのは早い。
メモあり記録の中央値は-35枚。つまり典型的にはまだ負けている。平均だけが跳ね上がるのは、“大勝ちした日ほど嬉しくてメモを書く”という逆向きの因果が効いているからだ。派手な数字にはカラクリがある。

ユーザー単位で見たら、本当の差が出た
そこで、記録20件以上のユーザー21,832人を「メモを書く習慣があるか」で4グループに分け、各自の成績そのものを比べた。すると、メモを一切書かない層(A)の1件平均は+30枚。対して、たまにでも書く層(B〜D)は+57〜71枚と、およそ2倍に伸びる。
さらに決定的なのが“典型的なユーザー”を表す中央値だ。書かない人は-9枚とマイナスなのに、書く人は+11〜+16枚とプラスに転じる。「メモを書く層は、典型的に勝ち越している」と言い換えてよい。

勝率は同じ。違うのは“勝ち方・負け方”
興味深いのは、勝率はどのグループもほぼ41〜42%で横ばいという点だ。メモを書く人は「勝つ回数が多い」わけではない。それでも収支と中央値で差がつくのは、勝ちを大きく伸ばし、負けを小さく抑える──立ち回りの“質”が違うからだと考えられる。効き目が最も大きいのは『書くか書かないか』の最初の一歩(A→B)で、書く頻度を上げるほどの伸びはゆるやかになっていく。

メモは「真面目さ」の裏返し
ただし、これは相関であって「メモを書けば勝てる」という因果の証明ではない。メモを残すという行為は、機種をきちんと選ぶ・数字と丁寧に向き合うといった、プレイヤーとしての姿勢の“代理指標”と見るのが自然だろう。事実、同じデータでは『機種を“未選択”のまま記録する人は平均マイナス』という傾向も出ており、今回の結果と地続きだ。勝っている人は、たまたま書いているのではなく、“書くような向き合い方”をしている、という話である。

まとめ ── 書くことは、振り返ること
メモ機能は地味だ。しかしデータは、記録と向き合う姿勢が成績と結びついていることを示している。次にホールへ行ったら、勝っても負けても一言だけ書き残してみてはどうだろう。その一手間が、自分の立ち回りを見直すきっかけになるかもしれない。